本記事では、最新ゲーミングPCで主流となっているGPUを厳選し、客観的な性能データに基づいて、その性能を一目でわかる比較表にまとめました。さらに、あなたの用途に合わせた「最適なGPUの選び方」まで徹底的に解説します。
PCゲームの醍醐味といえば、息をのむほどリアルなグラフィックと、一瞬のラグも許されないほどの滑らかな動きですよね。それを叶えるのが、PCの性能を大きく左右する「グラフィックボード」、通称GPU(Graphics Processing Unit)です。まさにゲーミングPCの「心臓」とも言える、超重要なパーツなんです。
でも、グラボのスペック表って、数字や専門用語がズラッと並んでいて、パッと見では「結局、どれが私に合ってるの?」って、混乱してしまいますよね。

「最新のゲームを最高の画質で、カクつきなしでヌルヌル動かしたい!」
「グラフィックボード(グラボ)って種類が多すぎて、どれを選べばいいのか全然わからない…」
「せっかく高いお金を出すなら、失敗したくないけど、何を見て比較すればいいの?」
そんな悩みを持つゲーマーやPCゲーマーに向けて、性能・価格・コストパフォーマンス(Price/Performance)を総合的に比較し、ゲーミングPCに最適なGPUをわかりやすく解説します。
【最新版】BTO向け主要グラフィックボード(GPU)性能比較表
ここからは、現在BTOメーカーで主流となっている主要GPUのPassMarkスコアをまとめています。あなたの求める性能や予算に合わせて、ぴったりのGPUを見つけてください。
GPU Name | G3D Mark | GPU Value | Price |
---|---|---|---|
GeForce RTX 3050 4GB Laptop | 9496 | 35.17 | $269.99* |
GeForce RTX 3050 6GB | 10721 | 56.43 | $189.99 |
GeForce RTX 3050 6GB Laptop | 10173 | NA | NA |
GeForce RTX 3050 | 12552 | 59.77 | $209.99 |
GeForce RTX 3050 A Laptop | 11595 | NA | NA |
GeForce RTX 3050 Laptop | 12144 | NA | NA |
GeForce RTX 3050 Ti Laptop | 10094 | NA | NA |
GeForce RTX 4050 Laptop | 14411 | NA | NA |
GeForce RTX 4060 | 19549 | 55.54 | $351.99 |
GeForce RTX 4060 Laptop | 17447 | NA | NA |
GeForce RTX 4060 Ti | 22689 | 59.71 | $379.99 |
GeForce RTX 4060 Ti 16GB | 22744 | 49.45 | $459.99 |
GeForce RTX 4070 | 26925 | 46.50 | $579.00* |
GeForce RTX 4070 Laptop | 19581 | NA | NA |
GeForce RTX 4070 SUPER | 29972 | 39.77 | $753.70* |
GeForce RTX 4070 Ti | 31599 | 34.76 | $909.03* |
GeForce RTX 4070 Ti SUPER | 31799 | 18.69 | $1,701.19* |
GeForce RTX 4080 | 34466 | 23.01 | $1,498.07* |
GeForce RTX 4080 Laptop | 24905 | NA | NA |
GeForce RTX 4080 SUPER | 34268 | 31.15 | $1,099.99* |
GeForce RTX 4090 | 38180 | 13.01 | $2,935.00* |
GeForce RTX 4090 D | 32259 | NA | NA |
GeForce RTX 4090 Laptop | 27186 | NA | NA |
GeForce RTX 5050 | 17525 | 64.91 | $269.99 |
GeForce RTX 5050 Laptop | 16194 | NA | NA |
GeForce RTX 5060 | 20642 | 68.81 | $299.99 |
GeForce RTX 5060 Laptop | 17934 | NA | NA |
GeForce RTX 5060 Ti 16GB | 22843 | 53.13 | $429.99 |
GeForce RTX 5060 Ti | 22696 | 61.34 | $369.99 |
GeForce RTX 5070 | 29026 | 52.78 | $549.99 |
GeForce RTX 5070 Laptop | 20059 | NA | NA |
GeForce RTX 5070 Ti | 32888 | 43.85 | $749.99 |
GeForce RTX 5070 Ti Laptop | 23440 | NA | NA |
GeForce RTX 5080 | 36372 | 36.37 | $999.99 |
GeForce RTX 5080 Laptop | 27256 | NA | NA |
GeForce RTX 5090 | 39383 | 15.75 | $2,499.99 |
GeForce RTX 5090 D | 42305 | NA | NA |
GeForce RTX 5090 Laptop | 29625 | NA | NA |
Radeon RX 7700 XT | 22574 | 45.89 | $491.88 |
Radeon RX 7800 XT | 24184 | 40.56 | $596.27 |
Radeon RX 7900 XT | 29029 | 46.03 | $630.65 |
Radeon RX 7900 XTX | 31270 | 32.03 | $976.41 |
Radeon RX 9060 XT 16GB | 20007 | 52.65 | $379.99 |
Radeon RX 9060 XT | 19874 | 66.25 | $299.99 |
Radeon RX 9070 | 25493 | 41.12 | $619.99 |
Radeon RX 9070 GRE | 22713 | NA | NA |
Radeon RX 9070 XT | 26836 | 37.27 | $719.99 |
※PassMarkスコアは日々変動する可能性があります。最新のスコアはPassMark公式サイト(https://www.passmark.com/)でご確認ください。
※上記はBTOで主流のGPUを抜粋しています。
本記事のGPU性能比較の基準:PassMarkスコアとは?
本記事のGPU性能比較表では、「PassMarkスコア」という客観的な数値を採用しています。PassMarkとは、世界中で広く利用されているPCの性能測定ベンチマークソフトウェアです。様々なテストを実行し、CPU、GPU、メモリ、ストレージなど、各パーツの性能を数値化してくれます。
その中でも、GPUの総合的な3Dグラフィック処理能力を示す「G3D Mark」スコアは、高いほどそのGPUは高性能であると判断できます。PassMarkスコアは、実際に様々なゲームやアプリケーションでどれくらいの性能が出せるかの目安としても信頼性が高いです。
ハイエンドGPU(究極のゲーム体験を求めるあなたへ)
GeForce RTX 5090 / Radeon RX 7900 XTX
これらのGPUは、まさに「ゲーミングPCの頂点」に君臨します。4K解像度で最新のAAAタイトルを最高設定でヌルヌル動かしたい、レイトレーシングをフル活用して究極の映像美を堪能したい、動画編集や3Dレンダリングなどプロレベルのクリエイティブ作業をストレスフリーでこなしたい方におすすめです。予算を気にせず最高の体験を手に入れたいなら、このクラス一択です。
ミドルハイエンドGPU(性能と価格のベストバランス)
GeForce RTX 5080 / RTX 5070 Ti/ RTX 5070、Radeon RX 7900 XT / RX 9070 XT
多くのゲーマーにとって、「性能と価格のバランス」が最も優れたクラスがここです。WQHD(2560×1440)解像度での高画質ゲーミングや、フルHDでの超高フレームレート(144fps以上)を安定して出したい場合に最適。最新のAAAタイトルも高設定で快適にプレイでき、クリエイティブ作業にも十分対応できる汎用性の高さが魅力です。特にRTX 4070 SUPERやRX 7800 XTあたりは、コストパフォーマンスが非常に高く人気があります。
ミドルレンジGPU(フルHDゲーミングの主役)
GeForce RTX 5070 / RTX 5060 Ti / RTX 5060、Radeon RX 7700 XT / RX 9070
フルHD(1920×1080)解像度でゲームを楽しむなら、このクラスのGPUが主役です。人気のAAAタイトルも「高設定」で快適にプレイでき、eスポーツタイトルであれば高リフレッシュレートモニターと組み合わせることで、競技性の高い環境も構築できます。初めてゲーミングPCを購入する方や、コスパを重視したい方におすすめの選択肢です。特にVRAMが12GBあるRTX 3060やRX 6700 XTは、まだまだ現役で活躍できるコスパに優れたモデルです。
エントリーGPU(初めてのゲーミングPCにも最適)
GeForce RTX 5060 Ti / RTX 5060 / RTX 5050
価格を抑えつつ、最新世代の機能と性能を兼ね備えたエントリークラスのGPUです。主にフルHD解像度でのゲーミングを想定しており、eスポーツタイトルや比較的軽めのゲームであれば、十分なフレームレートで快適に楽しめます。まずはゲーミングPCを体験してみたいライトユーザーや、予算を抑えたい方にとって、魅力的な一枚となるでしょう。
グラフィックボード(GPU)選びで後悔しないための基礎知識
グラボ性能比較表を見る前に、まずはGPUの基本をサクッと押さえておきましょう。これを知っているだけで、PC選びの迷いが一気に晴れるはずです!
GPUって何?ゲーミングPCの「心臓」の役割

GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックス処理ユニット)、通称「グラフィックボード」や「グラボ」は、PCの画面に映し出されるあらゆる「絵」を描き出すための、いわば「絵描き専門のプロ」です。特にゲームや動画編集のように、大量の画像処理が必要な場面でその真価を発揮します。
このグラボの性能が高ければ高いほど、ゲームのグラフィックはより美しく、動きはより滑らかになり、PCゲームの魅力が最大限に引き出されるんです。
なぜGPUの性能比較が超重要なの?
ゲーミングPCにおいて、GPUの性能はゲームの快適さに直結する最も重要な要素です。
- フレームレート(fps)の向上: ゲーム画面が1秒間に何回更新されるかを示す「フレームレート」が高ければ高いほど、ゲームの動きはヌルヌルと滑らかになります。GPUが弱いと、フレームレートが上がらず、カクカクして快適にプレイできません。
- 画質の向上: 最新のゲームは非常に美しいグラフィックが特徴ですが、それを最高設定で表示するには高性能なGPUが必須です。グラボの性能が足りないと、画質設定を下げざるを得なくなり、ゲームの魅力を十分に味わえません。
- クリエイティブ作業の効率化: 動画編集のレンダリングや、3Dグラフィックの作成など、グラフィック処理を大量に行う作業でもGPUの性能が作業時間に大きく影響します。
つまり、どんなに高性能なCPUやメモリを積んでいても、GPUが貧弱ではゲーミングPCとしての性能を十分に発揮できないんです。だからこそ、あなたの遊びたいゲームや用途に合わせて、最適なGPUを選ぶことがとっても大切なんです!
NVIDIA vs AMD:主要2大メーカーの特徴と選び方
現在、ゲーミングPC用のGPUを製造しているのは、大きく分けて「NVIDIA(エヌビディア)」と「AMD(エーエムディー)」の2社です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
- NVIDIA(エヌビディア):GeForceシリーズ
ゲーミングGPU市場で圧倒的なシェアを誇り、特に高性能帯のGPUで人気があります。
特徴: 高い安定性と処理性能、幅広い価格帯のモデル展開。
独自技術: 「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」というAIを活用した高画質化・高速化技術や、「Reflex」という低遅延技術が強力です。これらの技術に対応したゲームでは、フレームレートを大きく向上させつつ、高画質を維持できます。 - AMD(エーエムディー):Radeonシリーズ
NVIDIAに次ぐ存在で、近年急速に高性能化を進めています。
特徴: 比較的にコストパフォーマンスに優れたモデルが多く、より手頃な価格で高いゲーミング性能を得られる可能性があります。
独自技術: 「FSR(FidelityFX Super Resolution)」というオープンソースのアップスケーリング技術があり、多くのゲームでフレームレートを向上させることができます。
どちらのメーカーも常に進化を続けており、甲乙つけがたい高性能GPUをリリースしています。大事なのは、それぞれの特徴を理解し、自分の用途に合ったシリーズを選ぶことです。
VRAM(ビデオメモリ)って何?容量が多いと何が良い?
VRAM(Video Random Access Memory)、通称ビデオメモリは、GPUがグラフィックデータを一時的に保存しておくための高速なメモリです。CPUでいうところのメインメモリ(RAM)のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。
- VRAMの役割: ゲームのテクスチャ(画像の表面を覆う模様)、3Dモデルの情報、影のデータなど、グラフィック描画に必要な大量のデータを一時的に保持します。
- 容量の重要性:
高解像度でのプレイ: 4Kなどの高解像度でゲームをプレイする場合、VRAMの消費量が大幅に増えます。
高画質設定: ゲーム内の画質設定を「最高」にするほど、VRAMは多く必要になります。
複数のモニター利用: 複数のモニターにゲーム画面を表示する場合も、VRAMを多く消費します。
VRAM容量が不足すると、ゲームの動作がカクついたり、テクスチャの読み込みが遅れたりする原因になります。特に最新のAAAタイトルを高画質で楽しむなら、十分なVRAM容量を持つGPUを選ぶことが重要です。目安としては、フルHDなら8GB以上、WQHDなら12GB以上、4Kなら16GB以上あると安心です。
レイトレーシングやDLSS/FSRって何?最新技術でゲーム体験が変わる!
最近のGPUの進化は目覚ましく、単に「描画が速い」だけでなく、ゲーム体験を大きく変える画期的な技術が搭載されています。
- レイトレーシング(Ray Tracing):
光の物理的な挙動をシミュレートし、影、反射、屈折などをよりリアルに表現する技術です。これにより、ゲームのグラフィックがまるで映画のように美しく、没入感が高まります。対応したGPUとゲームタイトルでのみ効果を発揮します。 - DLSS(Deep Learning Super Sampling)/ FSR(FidelityFX Super Resolution):
これらの技術は、ゲームの解像度を内部的に低くして処理負荷を下げ、その後AI(DLSS)または高度なアルゴリズム(FSR)を使って、元の高解像度と同等、あるいはそれ以上の画質にアップスケールするというものです。これにより、画質をほとんど損なわずにフレームレートを大幅に向上させることができます。特に重いゲームや高解像度でのプレイ時に真価を発揮します。
これらの技術に対応しているGPUを選ぶことで、より美しく、より滑らかなゲーム体験が手に入るでしょう。
グラフィックボード(GPU)の選び方ガイド
GPU性能比較表を見ただけでは、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまうかもしれません。そこで、あなたの具体的なPCの使い方や予算に合わせて、最適なGPUの選び方を解説します。
4K最高設定でゲームを遊び尽くしたい!
おすすめGPU:GeForce RTX 5090 / RTX 5080、Radeon RX 7900 XTX
4K解像度は、現在のPCゲームにおいて最も負荷の高い設定です。この領域で最高設定・高フレームレートを狙うなら、間違いなく現行最高峰のGPUが必要です。NVIDIAのDLSS 3やAMDのFSR 3といったフレーム生成技術を活用することで、さらに安定した高フレームレートを実現できます。予算に余裕があり、究極の映像美を求める方はこのクラスを選びましょう。
WQHDで高画質、FHDで超高フレームレートを狙いたい!
おすすめGPU:GeForce RTX 5070 Ti / RTX 5070、Radeon RX 7900 XT / RX 7800 XT / RX 9070 XT
WQHD(2560×1440)解像度で快適に遊びたい、あるいはフルHDで144Hz以上の高リフレッシュレートモニターを最大限に活かしたい方におすすめのクラスです。性能と価格のバランスが非常に良く、多くのゲーマーにとって「最適解」となるでしょう。特にRTX 4070 SUPERやRX 7800 XTは、コストパフォーマンスに優れ、非常に人気が高いモデルです。
人気のeスポーツタイトルをサクサク楽しみたい!
おすすめGPU:GeForce RTX 5070 Ti / RTX 5070 / RTX 5060 Ti 、Radeon RX 7700 XT / RX 9070
VALORANT、Apex Legends、Fortnite、CS:GOといったeスポーツタイトルは、グラフィック負荷が比較的低く、高フレームレートを出すことが重要になります。フルHD解像度で144fps以上を狙うなら、このミドル~エントリークラスのGPUで十分快適にプレイできます。特にコスパを重視しつつ、競技性のあるゲームを楽しみたい方におすすめです。
動画編集や3Dモデリングなどクリエイティブ作業がメインなら
おすすめGPU:GeForce RTX 5090 / RTX 5080 / RTX 5070 Ti、Radeon RX 7900 XTX / RX 7900 XT
ゲームだけでなく、動画編集(特に4K)、3Dレンダリング、CAD、AI関連の作業など、グラフィック処理を大量に行うクリエイティブな作業がメインの場合は、ゲーミング性能に加えてVRAM容量が多いハイエンドGPUが非常に有利です。NVIDIAのRTXシリーズは、多くのプロ向けソフトウェアで最適化が進んでいるため、特にクリエイターからの支持が高い傾向にあります。
予算別!この価格帯ならこのグラボがおすすめ!
- ~10万円台前半: GeForce RTX 5060 / RTX 5050、Radeon RX 6700 XT
フルHDゲーミングの入門に最適。コスパ重視でゲームを楽しみたい方に。 - 10万円台後半~20万円台前半: GeForce RTX 5060 Ti / RTX 5070、Radeon RX 7700 XT / RX 7800 XT
WQHDゲーミングも視野に入る、性能と価格のバランスが良い主力帯。多くのゲーマーにおすすめ。 - 20万円台後半~: GeForce RTX 5070 Ti / RTX 5080、Radeon RX 7900 XT / RX 7900 XTX
4Kゲーミングや最高設定でのプレイ、プロレベルのクリエイティブ作業に。妥協したくない方へ。
GPU選びの落とし穴!?これだけはチェックすべき3つのポイント
高性能なGPUを選んだとしても、PC全体のバランスが崩れていると、せっかくの性能が台無しになることもあります。こちらは、自作で1から組み立てる人向けの内容となっています。完成品を購入する方は、基本関係ないので大丈夫です。では、購入前に、以下の3つのポイントをしっかりチェックしましょう!
CPUとのバランス!「ボトルネック」に要注意
「ボトルネック」とは、PCパーツの性能がアンバランスなことで、全体のパフォーマンスが制限されてしまう現象のことです。
例えば、超高性能なGPUを搭載しているのに、CPUが貧弱すぎると、GPUの能力を最大限に引き出せません。 グラボが「もっと処理できるのに!」と思っても、CPUの命令や処理が遅いせいで待たされてしまうような状態です。
逆に、CPUだけ高性能で、GPUが弱すぎる場合も、グラフィック処理が追い付かず、ゲームがカクついてしまいます。
最適なゲーミングPCは、CPUとGPUのバランスが取れていることが重要です。別記事ののCPU性能表と合わせて、この二つの「心臓」と「頭脳」が協力して高いパフォーマンスを発揮できる組み合わせを選びましょう。一般的には、GPUの性能に合わせてCPUを選ぶのがおすすめです。
電源ユニット(PSU)の容量は足りてる?
高性能なGPUは、多くの電力を消費します。もしPCに搭載されている電源ユニット(PSU)の容量が足りないと、PCが突然シャットダウンしたり、動作が不安定になったりする原因になります。
グラフィックボードの製品ページには、推奨される電源容量が記載されています。GPUだけでなく、CPUやその他のパーツが消費する電力も考慮して、余裕を持った電源容量(例:推奨値より100~200W以上大きいもの)の電源ユニットを選ぶようにしましょう。BTOパソコンであれば、適切な電源が搭載されていることがほとんどなので安心です。
PCケースのサイズと冷却性能も忘れずに!
近年の高性能GPUは、非常に大型化する傾向にあります。そのため、PCケースのサイズによっては、せっかく購入したグラボが物理的に収まらない!なんてことも起こりえます。
また、高性能GPUは動作中に大量の熱を発生させます。PCケース内のエアフローが悪かったり、冷却性能が不十分だったりすると、GPUが熱暴走を起こし、パフォーマンスが低下したり、最悪の場合故障の原因になったりします。
BTOパソコンを選ぶ際は、GPUのサイズとケースの互換性、そして十分な冷却ファンが搭載されているかを確認しましょう。特に長時間ゲームをプレイする方や、夏場の使用を考えている方は、冷却性能に優れたケースや、追加のケースファンを検討することも大切です。
グラフィックボード(GPU)に関するよくある質問 (FAQ)
GPU選びに関するよくある疑問をQ&A形式でまとめました。あなたの疑問もここで解決するかもしれません!
- Q外付けGPU(eGPU)ってどうですか?
- A
外付けGPUは、ノートPCのグラフィック性能を向上させる選択肢として注目されています。しかし、専用のエンクロージャーやThunderboltポートが必要で、デスクトップPCのグラボに比べて性能が制限されることが多く、導入コストも高めです。基本的には、デスクトップPCで内蔵GPUを利用する方が、性能、安定性、コスト面で優れています。
- Qグラボの寿命はどれくらいですか?
- A
グラフィックボードの一般的な寿命は3〜5年と言われています。しかし、これはあくまで目安であり、使用頻度、負荷、冷却状況、初期不良の有無などによって大きく変動します。定期的な清掃(ホコリ除去)や適切な冷却環境を保つことで、寿命を延ばすことは可能です。
- Qグラボのメーカー違い(ASUS、MSI、GIGABYTEなど)は何が違うんですか?
- A
NVIDIAやAMDはGPUの「チップ」を製造しており、ASUS、MSI、GIGABYTE、ZOTAC、Palit、玄人志向などの各メーカーは、そのチップを使って実際にグラフィックボード製品を製造しています。主な違いは以下の点です。
- 冷却性能: ファンやヒートシンクのデザイン、性能が異なります。
- 動作クロック: 各メーカー独自のチューニングにより、若干動作クロックが高いOC(オーバークロック)モデルもあります。
- デザイン: 外観やLEDイルミネーションなどが異なります。
- 付属ソフトウェア: 独自の管理ツールやOCツールなどが付属します。
- 保証・サポート: メーカーによって保証期間やサポート体制が異なります。
基本性能はどのメーカーでも大きな差はありませんが、冷却性能やデザイン、サポートを重視して選びましょう。
- Q中古のグラボってどうですか?
- A
中古グラボは新品に比べて大幅に安価で購入できる魅力がありますが、リスクも伴います。
- 劣化・故障のリスク: マイニングなどで酷使されていた可能性があり、寿命が短い、故障しやすいといったリスクがあります。
- 保証の有無: 個人売買では保証がないことがほとんどです。
- 動作確認の難しさ: 実際に動作させてみないと、正確な状態を判断するのが難しいです。
PCパーツに詳しい方や、自己責任でリスクを許容できる方以外は、基本的に新品のグラボを選ぶことを強く推奨します。
- Qグラボ交換は自分でできますか?
- A
デスクトップPCであれば、ある程度のPC知識と工具があれば自分で交換することも可能です。しかし、静電気対策、正しい挿し込み方、電源ケーブルの接続、ドライバーのインストールなど、いくつか注意点があります。自信がない場合は、BTOメーカーに組み込み済みモデルを購入するか、PC専門店に依頼することをおすすめします。ノートPCのグラボ交換は、ほとんどの場合非常に困難です。
まとめ
本記事では、ゲーミングPCの性能を左右する「グラフィックボード(GPU)」に焦点を当て、その基礎知識からPassMarkスコアを用いた性能比較、そして用途・予算別の選び方までを徹底的に解説してきました。
GPU選びは、あなたのPCゲーム体験の「質」を決定づける最重要ポイントです。単に高いグラボを選べば良いというわけではなく、あなたのプレイしたいゲーム、求める画質やフレームレート、そして何より予算に合わせた「コスパ最強の一枚」を見つけることが大切です。
今回ご紹介したGPU性能比較表と選び方ガイドが、あなたの理想のゲーミングPCを見つけるための一助となれば幸いです。最適なグラボを搭載したPCで、今まで以上に快適で、没入感のある最高のゲーム体験を手に入れてください!
※本記事の情報は2025年9月時点のものです。PassMarkスコアや価格、在庫状況は変動する可能性があります。最新の情報はPassMark公式サイト(https://www.passmark.com/)にてご確認ください。
▼本記事のCPUVer記事はこちら↓