本記事では、「Core Ultra 265KとRyzen 7 9700XのゲーミングFPS差はどれくらいか?」「動画編集やレンダリングに必要な処理能力は?」といった具体的な疑問を解消するため、最新のFPSベンチマークデータとコア数・消費電力などの詳細スペックを基に徹底的に比較し、ゲーミングFPS・電力効率評価やおすすめPCと選び方を解説します。
- Core Ultra 7 265K / Ryzen 7 9700Xのベンチマーク性能をデータで比較
- Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X の後悔しない選び方
- Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xの仕様・スペック
- Core Ultra 7 265K / Ryzen 7 9700X 搭載 おすすめゲーミングPC 8選
- Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X 構成ガイド
- Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xに関するFAQ・まとめ
- 最終結論:Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xの性能の違いはどれくらい?
Core Ultra 7 265K / Ryzen 7 9700Xのベンチマーク性能をデータで比較
Intelのオーバークロック対応モデルCore Ultra 7 265K(Arrow Lakeアーキテクチャ)と、AMDのRyzen 7 9700X(Zen 5アーキテクチャ)は、ハイエンドPCの構築を検討するユーザーにとって究極の選択肢です。
Core Ultra 7 265KとRyzen 7 9700Xの性能を、「ゲーミング性能(FPS)」と「マルチコア性能(コア数に基づく処理能力)」の二つの側面から、CPUの性能差が純粋に現れやすいフルHD(1080p)環境での平均FPSを比較します。
| CPU | スコア | パフォーマンス |
|---|---|---|
| Ryzen 7 9700X | 167 | |
| Core Ultra 7 265K | 154.4 |
データ出典: 本グラフは、海外の大手ベンチマークサイト( Tom's HARDWARE, TechSPOT, TechPowerUP )が公開する複数のゲーム(18 game averageなど)における「1080p」の平均ベンチマークデータを基に、当サイトが独自に集計・作成したものです。
※スコアは3サイトの平均値。データが1サイトまたは2サイトにしかない場合は、その平均値を使用しています。
平均FPSデータに基づくと、Ryzen 7 9700Xは平均167 fpsを記録しており、Core Ultra 7 265Kの154.4 fpsと比較して、約8.1%高いゲーミングパフォーマンスを示しています。
| CPU | 1080p 平均FPS (3サイト平均) |
|---|---|
| Ryzen 7 9700X | 108.1%(167 fps) |
| Core Ultra 7 265K | 100%(154.4 fps) |
| Ryzen 7 9700Xの優位性 | Core Ultra 7 265Kの約8.1%増 |
Ryzen 7 9700XがCore Ultra 9 265Kに対してゲームで優位に立つ主な要因は、以下の通りです。
1. Zen 5のIPC(クロックあたりの命令実行数)向上
AMDの新しいZen 5アーキテクチャは、前世代のZen 4から大幅なIPC(Instruction Per Cycle)向上を目指して設計されています。これは、同じクロック周波数でより多くの処理をこなせることを意味します。
- Zen 5は特にシングルスレッドや軽いマルチスレッドの処理において、Core Ultra 7 265Kが採用しているIntelの「Redwood Cove」Pコアを上回るIPCを達成していることが示されています。
- ゲームの多くは、依然として少数の強力なスレッドに依存するため、この高いIPCが直接的に高い平均フレームレート(FPS)につながります。
2. Pコア(高性能コア)のみのシンプルさ
Ryzen 7 9700Xは、高性能なPコアのみで構成された8コア設計です。対するCore Ultra 9 265Kは、Pコア(Redwood Cove)とEコア(Skymont)を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用しています。
- ハイブリッドアーキテクチャは、電力効率とマルチタスク性能には優れますが、ゲームをプレイする際にOSのスケジューラ(どのコアでどのスレッドを実行するかを決定する機能)が一貫して最高のPコアにゲームのスレッドを割り当てる必要があります。
- このスケジューリングのオーバーヘッドや、ゲームのスレッドが意図せずEコアに割り当てられる可能性が、わずかではあってもフレームレートのばらつきや平均FPSの低下を引き起こすことがあります。Ryzen 9700Xは、全てが同等に強力なコアであるため、この問題がありません。
3. キャッシュ設計
ゲームはCPUキャッシュ(L1、L2、L3)のレイテンシと容量に非常に敏感です。
- Zen 5は、キャッシュ階層の改善、特に大容量L2キャッシュ(Core UltraのPコアと比較して)と低レイテンシを追求しています。
- ゲームのデータが頻繁にメインメモリではなく、高速なCPUキャッシュ内で処理されることで、処理速度が向上し、フレームレートが高くなります。
マルチコア性能(コア数に基づく処理能力)
動画編集、3Dレンダリング、大規模開発など、コア数とスレッド数が重要となるマルチコア性能(コア数に基づく処理能力)を比較します。
- Core Ultra 7 265K: 20コア/20スレッド(8Pコア + 12Eコア)
- Ryzen 7 9700X: 8コア/16スレッド
Core Ultra 7 265Kは、Ryzen 7 9700Xよりもコア数が2倍以上(20コア vs 8コア)多く、ハイブリッドアーキテクチャのEコア(Skymont)を活用することで、Ryzen 7 9700Xよりも大幅に高いマルチコア処理能力 を有しています。Core Ultra 7 265Kは、すべてのコアをフル活用するクリエイティブワークロード(動画エンコードや3Dレンダリングなど)においては、Ryzen 7 9700Xよりも圧倒的な処理速度を発揮します。
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X の後悔しない選び方
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X の「後悔しない」選び方をするには、Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xが、どういった方向けか、どんな人におすすめのCPUなのかを知っておきましょう。
Core Ultra 7 265Kの購入が「おすすめな人」
Core Ultra 7 265Kは、マルチタスク性能を最重視するユーザーに最適な選択肢です。
- クリエイティブ作業(動画編集、レンダリング、開発)が多い方:20コア構成により、長時間のマルチスレッド処理において、Core Ultra 7 265Kが圧倒的な処理能力を提供します。
- • AI機能(NPU)の搭載を必須とする方:Core Ultra 7 265Kは、AI処理専用のIntel AI Boost(NPU 13 TOPS)を搭載しており、AI関連の作業効率が向上します。
- Core i9-14900Kからのアップグレードを検討している方:265Kは新アーキテクチャ(Arrow Lake)への移行を可能にし、多様なタスク処理に最適化された効率を提供します。
Ryzen 7 9700Xの購入が「おすすめな人」
Ryzen 7 9700Xは、最高のゲーミング体験と電力効率を最優先するユーザーに最適です。
- 純粋なゲーミング性能(FPS)を追求したい方:1080p環境でCore Ultra 7 265Kより約8.1%高い平均FPS(167 fps vs 154.4 fps)を記録しており、最高のゲーミング体験を提供します。この優位性はZen 5の高いIPCとシンプルコア設計によるものです。
- 省電力、低発熱PCを構築したい方:TDPが65Wと非常に低い ため、Core Ultra 7 265KのMTP 250W と比較して、冷却コストと電力消費を大幅に抑えられます。AMD Ryzen 7000 シリーズプロセッサは、前世代と同じ消費電力で最大49%もパフォーマンスが向上しており、独自のエコ モードも利用可能です。
- ソケットAM5プラットフォームの互換性を重視する方:AMDはソケットAM5プラットフォームのサポートを今後何年にもわたって約束しているため、将来的なCPUアップグレードの可能性が高いです。
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xの購入を「おすすめしない人」
- Core Ultra 7 265Kを選ぶべきでない方:電力効率を最優先し、MTP 250Wの発熱対策(強力な冷却システム)を避けたい方。
- Ryzen 7 9700Xを選ぶべきでない方:動画編集やレンダリングなど、Core Ultra 7 265Kの20コア構成による高いマルチコア性能が必要不可欠なプロのクリエイター。
- 究極のゲーミングFPSを求める方:Ryzen 7 9700X(167 fps)は強力ですが、Ryzen 9000X3Dシリーズプロセッサ(例:Ryzen 7 9800X3D)がより高いゲーム性能を発揮します。第2世代AMD 3D V-Cache™ テクノロジを搭載 し、ゲーミング パフォーマンスを大幅に向上させています。
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xの仕様・スペック
IntelとAMD、それぞれの最新アーキテクチャ(Arrow LakeとZen 5)に基づく両CPUの技術仕様を比較します。
| 項目 | Core Ultra 7 265K (Intel) | Ryzen 7 9700X (AMD) |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Arrow Lake (8P+12E) | Zen 5 (Granite Ridge) |
| 製造プロセス | TSMC 3nm | TSMC 4nm |
| コア/スレッド数 | 20コア(8P+12E)/ 20スレッド | 8コア / 16スレッド |
| ベースクロック | 3.7 GHz / 3.2 GHz(P/E) | 3.8 GHz |
| ブーストクロック | 5.5 GHz | 5.5 GHz |
| L3キャッシュ | 30 MB | 32 MB |
| TDP / MTP | 125 W / 250 W | 65 W |
| CPUソケット | LGA1851 | AM5 |
| AI機能 | Intel AI Boost (NPU 13 TOPS) | Ryzen AI (搭載) |
| 希望カスタマー価格 | $394.00〜404.00 | $329.00 |
Core Ultra 7 265KとRyzen 7 9700Xの違いを深堀り
両モデルは最大ブーストクロック(5.5 GHz)が同等であるものの、コア設計と電力設計が決定的に異なります。
コア数の違い:クリエイティブ性能の決定打
Core Ultra 7 265Kは20コアのハイブリッド構成であり、Ryzen 7 9700X(8コア)よりも大幅に多くのコアを搭載しています。この2倍以上のコア数の差が、動画編集やレンダリングにおけるマルチコア性能差を生み出しています。
すべてのコアをフル活用するクリエイティブワークロード(動画エンコードや3Dレンダリングなど)においては、Core Ultra 7 265Kが圧倒的な処理速度を発揮します。
電力効率と発熱:Ryzenの圧倒的な優位性
Ryzen 7 9700XのTDPは65Wと非常に低いのに対し、Core Ultra 7 265KはMTP 250Wと非常に高消費電力です。Ryzen 7 9700Xは低消費電力であり、冷却システムのコストを大幅に抑えることができます。AMD Ryzen 7000 シリーズは、前世代と同じ消費電力で最大49%もパフォーマンスが向上しています。
ゲーミング性能:Zen 5 IPCとシンプル設計の勝利
Ryzen 7 9700XがゲーミングFPSでCore Ultra 7 265Kより優位に立つのは、Zen 5アーキテクチャのIPC向上と、Pコアのみのシンプル設計により、ゲームのスレッド割り当てが効率的であるためです。
プラットフォームとAI機能
Core Ultra 7 265Kは新しいLGA1851ソケットを採用し、Intel AI Boost(NPU)AM5ソケットを採用しており、Ryzen AIの恩恵を受けられます。AMDはソケットAM5プラットフォームのサポートを今後何年にもわたって約束しており、将来的なアップグレードの可能性が高いです。
Core Ultra 7 265K / Ryzen 7 9700X 搭載 おすすめゲーミングPC 8選
Core Ultra 7 265K / Ryzen 7 9700X 搭載 おすすめゲーミングPCは以下の通りです。
Core Ultra 7 265K 搭載おすすめゲーミングPC
Lenovo Legion Tower 5 30IAS10
| CPU | Core Ultra 7 265KF |
| GPU | GeForce RTX 5070 |
| 価格 | 227,205円(税込) |
こちらのPCは「Lenovo」にて販売されています。Lenovoは、高性能・高コスパ・サポート体制を兼ね備えた、出荷台数が世界No.1のシェアを誇るPCブランドです。
Lenovo Legion Tower 5 30IAS10
| CPU | Core Ultra 7 265KF |
| GPU | GeForce RTX 5070 |
| 価格 | 255,915円(税込) |
こちらのPCは「Lenovo」にて販売されています。Lenovoは、高性能・高コスパ・サポート体制を兼ね備えた、出荷台数が世界No.1のシェアを誇るPCブランドです。
Lenovo Legion Tower 5 30IAS10
| CPU | Core Ultra 7 265KF |
| GPU | GeForce RTX 5070 Ti |
| 価格 | 287,496円(税込) |
こちらのPCは「Lenovo」にて販売されています。Lenovoは、高性能・高コスパ・サポート体制を兼ね備えた、出荷台数が世界No.1のシェアを誇るPCブランドです。
Ryzen 7 9700X 搭載おすすめゲーミングPC
こちらのPCは「マウスコンピューター」にて販売されています。マウスコンピューターは、高いカスタマイズ性や、テレビCM・国内生産・豊富なサポートによる信頼性で人気のメーカーです。
NEXTGEAR JG-A7A6X
| CPU | Ryzen 7 9700X |
| GPU | Radeon RX 9060 XT |
| 価格 | 224,800円(税込) |
こちらのPCは「マウスコンピューター」にて販売されています。マウスコンピューターは、高いカスタマイズ性や、テレビCM・国内生産・豊富なサポートによる信頼性で人気のメーカーです。
こちらのPCは「マウスコンピューター」にて販売されています。マウスコンピューターは、高いカスタマイズ性や、テレビCM・国内生産・豊富なサポートによる信頼性で人気のメーカーです。
他にも、Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X を含む、より多くのPCを見たい場合、以下記事よりご確認ください。
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X 構成ガイド
Core Ultra 7 265K(MTP 250W)またはRyzen 7 9700X(TDP 65W)の高い性能を最大限に引き出すためには、適切なGPU、メモリ、ソケット環境を整える必要があります。
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X のと相性のいいGPUは?
両CPUは高い基本性能を持つため、GPUがボトルネックとならないよう、ハイエンドGPUとの組み合わせが適しています。
| CPU | 推奨GPU | 理由と補足 |
|---|---|---|
| Core Ultra 7 265K | RTX 5070 / RX 9070 クラス以上 | 20コアによるマルチコア性能を活かすため、 RTX 5070以上のGPUが適しています。 |
| Ryzen 7 9700X | RTX 5070 / RX 9070 クラス以上 | ゲーミングFPS性能がCore Ultra 7 265Kより高いため、 RTX 5070 やRX 9070といった上位GPUでも、 性能を引き出しやすいです。 |
後悔しないためのメモリやストレージ選定
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700X のような高性能CPUでも、PCのメモリやストレージの選定を失敗すると後悔につながります。
- メモリ:Core Ultra 7 265KはDDR5 6400 MT/sまで、Ryzen 7 9700XはDDR5-5600までネイティブに対応しています。最低16GB、推奨32GBのDDR5メモリが望ましいです。AMD EXPO™ テクノロジを利用すれば、最大 DDR-8000 駆動のキットを装備し、メモリをオーバークロックしてゲーミングをレベルアップできます。
- ストレージ:両モデルともPCI Express Gen5のサポート に対応しており、AMD認定のストレージデバイス を含むGen5対応NVMe SSDを導入することで最大のストレージ帯域幅を獲得できます。
Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xに関するFAQ・まとめ
- QCore Ultra 7 265KとRyzen 7 9700Xの主な違いは何ですか?
- A
マルチコア性能と電力効率です。Core Ultra 7 265Kは20コア構成でマルチコア性能が圧倒的に優位ですが、Ryzen 7 9700XはTDP 65Wで電力効率に優れます。
- Qゲーミング用途ではどちらがおすすめですか?
- A
Ryzen 7 9700Xがおすすめです。1080pゲーミングでCore Ultra 7 265Kより約8.1%高い平均FPS(167 fps vs 154.4 fps)を記録しており、加えてTDPが低いため、冷却コストも抑えられます。この優位性はZen 5のIPCの高さとシンプル設計に由来します。
- Q動画編集などクリエイティブな作業ではどちらが優れていますか?
- A
Core Ultra 7 265Kが圧倒的に優れています。20コアのハイブリッド構成により、マルチスレッド性能でRyzen 7 9700Xより大幅に高い処理能力を発揮します。また、AI処理専用のNPUも搭載しています。
- QCore Ultra 7 265KはなぜゲーミングでRyzen 7 9700Xに劣るのですか?
- A
Core Ultra 7 265Kのハイブリッドアーキテクチャは、OSスケジューラに依存し、フレームレートのばらつきや平均FPSの低下を引き起こす可能性があるのに対し、Ryzen 7 9700XはZen 5の高いIPCとPコアのみのシンプル設計により、ゲーム処理が効率的です
最終結論:Core Ultra 265K / Ryzen 7 9700Xの性能の違いはどれくらい?
結論として、平均FPSデータに基づくと、Ryzen 7 9700Xは平均167 fpsを記録しており、Core Ultra 7 265Kの154.4 fpsと比較して、約8.1%高いゲーミングパフォーマンスを示しています。Core Ultra 7 265Kは、Ryzen 7 9700Xよりもコア数が2倍以上(20コア vs 8コア)多く、ハイブリッドアーキテクチャのEコア(Skymont)を活用することで、Ryzen 7 9700Xよりも大幅に高いマルチコア処理能力 を有しています。
その為、Core Ultra 7 265KとRyzen 7 9700Xは、それぞれ異なる目的で強力な性能を発揮します。
- Ryzen 7 9700X:ゲーミングFPSを最優先し、TDP 65Wの優れた電力効率を求めるユーザーに最適な選択肢です。Core Ultra 7 265Kより安価ではありませんが、ゲーム性能と冷却コストの面で優位です。
- Core Ultra 7 265K:動画編集や3Dレンダリングなどのクリエイティブワークで、Core Ultra 7 265Kが20コア構成による圧倒的なマルチコア性能を必要とするプロフェッショナルなユーザーに選ばれます。NPUによるAI処理も大きな魅力です。
※本記事はCore Ultra 7 265KとRyzen 7 9700Xの比較に重きを置いた記事です。それぞれの詳細解説については、以下の記事より確認をお願いします。









