RTX 5070 Ti と 5080では、性能の違いはどれくらい?
本記事では、RTX 5070 TiとRTX 5080について、4K/WQHDでの具体的なベンチマークFPS数値と、後悔しないおすすめPCの選び方を徹底的に比較解説します。あなたの予算、プレイスタイル、そして求める性能に最適な一台を見つけるために、RTX 5070 Ti と RTX 5080のどちらが最適か、データに基づき比較していきます。
※本記事はRTX 5070 TiとRTX 5080の比較に重きを置いた記事です。それぞれの詳細解説については、以下の記事より確認をお願いします。
RTX 5070 Ti / 5080のベンチマーク性能をデータで徹底比較
両モデルとも、革新的なBlackwellアーキテクチャを採用し、特に4Kゲーミングや高度なAI処理、クリエイティブワークにおいて、前世代を大きく凌駕する性能を持っています。
まずは、複数のテストサイトの平均fps(フレームレート)データに基づいて、RTX 5070 TiとRTX 5080が実際のゲーム環境でどれほどの性能を発揮するのかを確認しましょう。
WQHD(1440p)での性能比較
WQHD環境では、RTX 5080は平均133.9 fps、RTX 5070 Tiは平均120.1 fpsを記録し、性能差は約11.5%です。
| GPU | スコア | パフォーマンス |
|---|---|---|
| RTX 4090 | 156.7 | |
| RTX 5080 | 133.9 | |
| RTX 4080 Super | 127.8 | |
| RTX 4080 | 125.6 | |
| RX 7900 XTX | 124.4 | |
| RTX 5070 Ti | 120.1 | |
| RX 9070 XT | 114.3 |
データ出典: 本グラフは、海外の大手ベンチマークサイト( Tom's HARDWARE, TechSPOT, TechPowerUP )が公開する複数のゲーム(18 game averageなど)における「1440p (WQHD)」の平均ベンチマークデータを基に、当サイトが独自に集計・作成したものです。
※スコアは3サイトの平均値。データが1サイトまたは2サイトにしかない場合は、その平均値を使用しています。
WQHD(1440p)は、高精細な映像と快適なフレームレートを両立させたいゲーマーに人気の解像度です。RTX 5080はWQHDで130 fpsを超える平均値を記録しており、競技性の高いゲームにおいても優れたパフォーマンスを発揮します。RTX 5070 Tiも120 fps超えを達成しており、快適なWQHDゲーミングが可能です。
4K(2160p)での性能比較
4K環境での性能比較において、RTX 5080の優位性が最も明確になります。RTX 5080は平均81.9 fps、RTX 5070 Tiは平均71.5 fpsを記録し、RTX 5080がRTX 5070 Tiに対して約14.5%高いパフォーマンスを示しています。
| GPU | スコア | パフォーマンス |
|---|---|---|
| RTX 4090 | 99.6 | |
| RTX 5080 | 81.9 | |
| RX 7900 XTX | 74.4 | |
| RTX 4080 Super | 74.3 | |
| RTX 4080 | 72.5 | |
| RTX 5070 Ti | 71.5 | |
| RX 9070 XT | 68.5 |
データ出典: 本グラフは、海外の大手ベンチマークサイト( Tom's HARDWARE, TechSPOT, TechPowerUP )が公開する複数のゲーム(18 game averageなど)における「4K (2160p)」の平均ベンチマークデータを基に、当サイトが独自に集計・作成したものです。
※スコアは3サイトの平均値。データが1サイトまたは2サイトにしかない場合は、その平均値を使用しています。
4K解像度はGPU負荷が非常に高くなるため、この性能差は大きな意味を持ちます。RTX 5080は、4K環境でAAAタイトルを高設定でプレイする際、多くのゲームで70~80 fps以上の高フレームレートを維持が狙えるため、より滑らかな体験を提供します。
(参考として、RTX 5080は前世代のRTX 4080と比較して最大で2倍の速度に達するとされています。また、RTX 5070 TiもRTX 4070 Tiと比較して最大で2倍の速度に達するとされています。)
フルHD(1080p)環境での性能比較
フルHD環境では、RTX 5080は平均168.8 fps、RTX 5070 Tiは平均157.3 fpsを記録しており、性能差は約7.3%と、比較的差は小さい結果となりました。
| GPU | スコア | パフォーマンス |
|---|---|---|
| RTX 4090 | 190.8 | |
| RTX 5080 | 168.8 | |
| RTX 4080 Super | 166.5 | |
| RTX 4080 | 164.5 | |
| RX 7900 XTX | 160.7 | |
| RTX 5070 Ti | 157.3 | |
| RX 9070 XT | 150.9 |
データ出典: 本グラフは、海外の大手ベンチマークサイト( Tom's HARDWARE, TechSPOT, TechPowerUP )が公開する複数のゲーム(18 game averageなど)における「1080p (Full HD)」の平均ベンチマークデータを基に、当サイトが独自に集計・作成したものです。
※スコアは3サイトの平均値。データが1サイトまたは2サイトにしかない場合は、その平均値を使用しています。
これは、どちらのGPUも非常に高性能であるため、フルHD環境ではCPU性能がボトルネックになりやすく、GPUのポテンシャルを最大限に引き出しきれないことが一因と考えられます。
どちらのモデルも、最新のDLSS 4.0(Multi Frame Generationを含む)やNVIDIA Reflex 2といった技術を活用することで、ハイリフレッシュレートモニター(240Hzなど)での安定動作を十分に狙えます。
解像度別の平均fpsまとめ
RTX 5080はRTX 5070 Tiより、フルHD環境で約7.3%増、WQHD環境では約11.5%増、4K環境では約14.5%増の性能差となりました。
| GPU | フルHD (1080p) 平均FPS | WQHD (1440p) 平均FPS | 4K (2160p) 平均FPS |
|---|---|---|---|
| RTX 5080 | 168.8 fps | 133.9 fps | 81.9 fps |
| RTX 5070 Ti | 157.3 fps | 120.1 fps | 71.5 fps |
| RTX 5080の優位性 | 約7.3%増 | 約11.5%増 | 約14.5%増 |
実際の平均FPSでは、解像度が上がるにつれてRTX 5080の優位性が明確になる傾向があります。
RTX 5070 Ti / 5080 の「後悔しない」選び方:おすすめな人とおすすめしない人
ベンチマークデータと価格(RTX 5070 Ti:¥139,800 / $749、RTX 5080:¥179,800 / $999)を考慮し、それぞれのモデルがどのようなユーザーに最適かを解説します。価格差は¥40,000(約28.6%)です。
RTX 5070 Tiの購入が「おすすめな人」
RTX 5070 Tiは、WQHD環境での最高の体験と、4K環境での高いコストパフォーマンスを両立したいユーザーに最適です。
- WQHD(1440p)環境で、120 fps以上のハイフレームレートを追求したい方:WQHDで平均120.1 fpsを記録しており、競技性の高いゲームでも優れた性能を発揮します。
- 4K(2160p)環境で、安定した60 fps超えをコストを抑えつつ狙いたい方:平均71.5 fpsを達成しており、DLSS 4を活用すればさらに高パフォーマンスが期待できます。
- 予算を抑えたいが、性能には妥協したくない方:前世代のRTX 4070 TiやRTX4070TiSUPERの市場価格と比較しても、非常に魅力的な価格帯です。
RTX 5080の購入が「おすすめな人」
RTX 5080は、ハイエンドな4Kゲーミングと、クリエイティブ/AIワークロードで最高水準の性能を求めるユーザーに最適です。
- 4K(2160p)環境で、高設定かつ80 fps以上を安定して追求したい方:平均81.9 fpsを記録しており、真の4Kハイエンドゲーミングを実現します。
- レイ・トレーシングやDLSS 4を最大限に活用し、最高の画質と性能を求める方:CUDAコア数やTFLOPSがRTX 5070 Tiよりも大幅に高いため、レイトレーシングなどの負荷の高い処理でより強力な性能を発揮します。
- プロフェッショナルなクリエイティブ作業(高解像度動画編集、3Dレンダリング、AI開発)を行う方:より高いシェーダー演算能力、RT性能、Tensor性能(約27%~28%高い)を活用できます。
RTX 5070 Ti / 5080の購入を「おすすめしない人」
RTX 5070 TiやRTX 5080はハイエンドGPUですが、以下の条件に該当する場合は、他のGPUも検討すべきです。
- フルHD(1080p)環境でのみプレイし、予算を重視する方:RTX 5060 TiやRTX 5070でも1080pでは非常に高いフレームレート(100 fps以上)が狙えます。
- 4K解像度で100 fps以上、またはそれ以上の極限のパフォーマンスを求める方:RTX 5090など、さらに上位のGPUを検討することが望ましいです。RTX 5090は4Kで平均127.4 fpsを記録しています。
RTX 5070 Ti / 5080 搭載:失敗しないおすすめゲーミングPC構成
BTOゲーミングPCでRTX 5070 Ti / 5080の性能を最大限に引き出すためには、CPUやメモリのバランスが重要です。「失敗しない」最適な構成をいくつか紹介します。
コストパフォーマンス重視のおすすめ5選
コストパフォーマンス重視では以下のモデルがおすすめの筆頭です。
DAIV FX-I7G80(NVIDIA Studio 認定PC)
| CPU | Core Ultra 7 265K |
| GPU | GeForce RTX 5080 |
| 価格 | 499,800円(税込) |
こちらのPCは「マウスコンピューター」にて販売されています。マウスコンピューターは、高いカスタマイズ性や、テレビCM・国内生産・豊富なサポートによる信頼性で人気のメーカーです。
DAIV FX-I7G7T(NVIDIA Studio 認定PC)
| CPU | Core Ultra 7 265K |
| GPU | GeForce RTX 5070 Ti |
| 価格 | 429,800円(税込) |
こちらのPCは「マウスコンピューター」にて販売されています。マウスコンピューターは、高いカスタマイズ性や、テレビCM・国内生産・豊富なサポートによる信頼性で人気のメーカーです。
他にも、RTX 5070 Ti / 5080を含む、より多くのPCを見たい場合、以下記事よりご確認ください。
RTX 5070 Ti / 5080の仕様・スペック
RTX 5070 TiとRTX 5080は、どちらもNVIDIAの革新的なBlackwellアーキテクチャを採用しており、DLSS 4(Multi Frame Generation含む)や第4世代RTコア、第5世代Tensorコアといった最新技術に対応しています。
| スペック | RTX 5080 | RTX 5070 Ti |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Blackwell | Blackwell |
| CUDAコア数 | 10,752基 | 8,960基 |
| ベースクロック | 2.30 GHz | 2.30 GHz |
| ブーストクロック | 2.62 GHz | 2.45 GHz |
| Shader性能 | 56 TFLOPS | 44 TFLOPS |
| RTコア | 第4世代 / 171 TFLOPS | 第4世代 / 133 TFLOPS |
| Tensorコア | 第5世代 / 1801 AI TOPS | 第5世代 / 1406 AI TOPS |
| VRAM容量 | 16GB GDDR7 | 16GB GDDR7 |
| メモリバス幅 | 256-bit | 256-bit |
| メモリ帯域幅 | 960 GB/sec | 896 GB/sec |
| 消費電力 (TDP) | 320W | 285W |
| 価格 (JP) | ¥179,800 | ¥139,800 |
| 発売日 | 2025年1月30日 | 2025年2月20日 |
RTX 5070 TiとRTX 5080の違いを深堀り
RTX 5070 TiとRTX 5080の主な違いは、コア数や演算性能、そして消費電力と価格にあります。
1. CUDAコア数とシェーダー演算性能の比較
RTX 5080はCUDAコア数が10,752基に対し、RTX 5070 Tiは8,960基と、RTX 5080が約19.9%56 TFLOPS、RTX 5070 Tiが44 TFLOPSであり、RTX 5080が約27.2%高い性能を示します。このコア数の差が、高負荷な処理や高解像度での性能差の源泉となっています。
2. クロック速度の差がもたらす体感速度の違い
スペック表を見ると、ベースクロックは同値で、ブーストクロックに差があることがわかります。
- ベースクロック: RTX 5070 Tiは2,300 GHz、RTX 5080は2,300 GHz。
- ブーストクロック: RTX 5070 Tiは2,450 GHz、RTX 5080は2,620 GHz。
これらのクロック速度の差は、特に高フレームレートが求められるゲームや、GPUが常にフル稼働するような高負荷なクリエイティブアプリケーションにおいて、RTX 5080の優位性を確立します。一瞬の処理速度が体感性能に大きく影響する場面では、このクロック差がカギとなるでしょう。
3. レイトレーシング(RTコア)とAI処理能力(Tensorコア)性能の比較
どちらも第4世代RTコアと第5世代Tensorコアを搭載していますが、コア数の多さからRTX 5080が優位です。
- RT性能:RTX 5080は171 TFLOPS、RTX 5070 Tiは133 TFLOPSで、RTX 5080が約28.5%高い。
- Tensor性能:RTX 5080は1801 AI TOPS、RTX 5070 Tiは1406 AI TOPSで、RTX 5080が約28.0%高い。
AI処理やレイトレーシングといった先進技術を利用する際、RTX 5080はRTX 5070 Tiよりも明確に高い処理能力を提供します。
4. VRAM・メモリ周りの比較
興味深い点として、両モデルともVRAM容量は16GB GDDR7を採用し、メモリバス幅も256-bitで共通しています。
しかし、RTX 5080はメモリ帯域幅が960 GB/secであるのに対し、RTX 5070 Tiは896 GB/secとわずかに異なります。これは、RTX 5070 Tiのメモリ帯域幅(896 GB/sec)が、前世代のRTX 4070 Tiの504 GB/secと比較して78%増加しているため、ハイエンド帯では帯域幅がボトルネックになるリスクが大幅に低減されています。
5. 消費電力と価格のバランス
消費電力(TDP)はRTX 5080が320W、RTX 5070 Tiが285Wです。RTX 5080は高性能である分、より多くの電力を消費します。
価格はRTX 5080が¥179,800、RTX 5070 Tiが¥139,800で、約4万円の差があります。この価格差に対して、コア性能は約20%、ベンチマークFPS性能は約7%〜15%の上昇が得られるという関係になります。
自作派向け:RTX 5070 Ti / 5080単体グラフィックボードの販売情報
自作PCを組む方や、グラフィックボードのみを換装したい方は、以下の情報をご参照ください。
RTX 5070 Ti / 5080に関するFAQ・まとめ
- QRTX 5070 Ti vs 5080の結論:今はどちらを買うべきか?
- A
4Kゲーミングを本気で楽しむならRTX 5080をおすすめします。 4K解像度において、RTX 5080はRTX 5070 Tiより約14.5%高い平均FPSを出し、より滑らかで快適な体験を提供します。WQHD環境であればRTX 5070 Tiでも十分以上の性能を誇ります。
- QRTX 5070 TiとRTX 5080は「どの程度の差」があるか?
- A
実際のゲーム性能差は解像度によって異なり、フルHDで約7.3%、4Kで約14.5%の差があります。ただし、CUDAコア数やRT/Tensorコアの理論性能では約20%〜28%の大きな差があります。
- QRTX 5080はRTX 4080 SUPERと比べてどれくらい強い?
- A
平均FPSでは、RTX 5080はRTX 4080 SUPERより4Kで約10%高く(81.9 fps vs 74.3 fps)、全体的に次世代機としての優位性があります。
最終結論:RTX 5070 Ti / 5080の性能の違いはどれくらい?
結論として、GeForce RTX 5070 TiとRTX 5080の性能差は、高解像度になるほど拡大する傾向にあります。、4K環境では約15%、コアの理論性能では約20%〜28%の差があります。
- フルHD環境で約7.3%
- WQHD環境で約11.5%
- 4K環境で約14.5%
- コアの理論性能では複数項目で約20%〜28%
- 価格差は4万円(公式価格)
RTX 5080は、4Kハイエンドゲーミングにおいて、より高いフレームレート(80 fps超え)と、先進的なAI/クリエイティブワークロードのパフォーマンスを追求したいユーザーにとって最適な選択肢です。
一方、RTX 5070 Tiは、WQHD環境でのハイフレームレートを確保しつつ、4Kでも十分な性能(60 fps超え)をより手頃な価格帯で実現したいユーザーにとって、最もバランスの取れた選択肢となるでしょう。
RTX 5070 Ti / 5080搭載PCの購入を検討中の方は、ぜひ「RTX 5070 Ti / 5080 搭載おすすめゲーミングPC」セクションで紹介したモデルをチェックしてみてください。









例えるなら、RTX 5070 TiとRTX 5080の関係は、高性能スポーツカーの「レーシング仕様」と「トップモデル仕様」に似ています。RTX 5070 Tiは、既に非常に速く、ほとんどのサーキット(WQHD)で最高のタイムを出す能力があり、コストパフォーマンスも抜群です。しかし、RTX 5080は、エンジン(CUDAコア)と駆動系(RT/Tensor)がさらに強化されたトップモデルであり、最も過酷な路面状況(4K高負荷)においても、より高い余裕と安定した最高速度(FPS)を求めるドライバーのために設計されている、と言えます。