- Core Ultra 7 265/265KとRyzen 7 9800X3Dの違いや特徴は?
- Core Ultra 7 265/265K / Ryzen 7 9800X3Dの違い・スペック解説
- 用途別の勝者
- それぞれどういった人におすすめ?
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- Ryzen 7 9800X3D 搭載のおすすめゲーミングPC
- Core Ultra 7 265/265K / Ryzen 7 9800X3DのPC選びのポイント
- まとめ:あなたの用途に最適な次世代CPUを選ぼう
Core Ultra 7 265/265KとRyzen 7 9800X3Dの違いや特徴は?
この記事では、Intelの最新アーキテクチャ「Arrow Lake」を採用したハイエンドCPU、「Core Ultra 7 265/265K」と、AMDの最新アーキテクチャ「Zen 5」を搭載したCPU、「Ryzen 7 9800X3D」を徹底的に比較します。
ミドルクラス上位からハイエンドに属する最新CPUが、どのように異なり、どのようなユーザーに最適なのかを分析します。
Core Ultra 7 265/265K / Ryzen 7 9800X3Dの違い・スペック解説
まずは、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 7 265、そしてAMD Ryzen 7 9800X3Dの主要な仕様を比較し、数値的な違いを確認します。
項目 | Ryzen 7 9800X3D | Core Ultra 7 265K | Core Ultra 7 265 |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Zen 5 (Granite Ridge) | Arrow Lake | Arrow Lake |
製造プロセス | TSMC 4nm | 3nm Compute Tile (TSMC N3B) | 3nm Compute Tile (TSMC N3B) |
ソケット | AM5 | LGA1851 | LGA1851 |
コア/スレッド数 | 8コア / 16スレッド | 20コア (8P+12E) / 20スレッド | 20コア (8P+12E) / 20スレッド |
最大ブーストクロック | 5.5 GHz | 5.5 GHz (P-core) | 5.3 GHz (P-core) |
ベースクロック(Pコア) | 4.2 GHz | 3.9 GHz | 2.4 GHz |
L3キャッシュ(合計) | 96 MB (3D V-Cache搭載) | 30 MB (Intel Smart Cache) | 30 MB (Intel Smart Cache) |
NPU (AI機能) | (Zen 5 AI) | Intel AI Boost (13 TOPS) | Intel AI Boost (13 TOPS) |
全体ピーク TOPS (Int8) | N/A | 33 | 33 |
PBP/MTP (TDP) | 120W | 125W / 250W | 65W / 182W |
対応メモリ | DDR5-6400 (ネイティブ) | DDR5-6400 | DDR5-6400 |
PCI Express | PCIe 5.0 x24 (GPU x16 + NVMe x8) | Gen5 & 4.0, 24レーン | Gen5 & 4.0, 24レーン |
内蔵GPU | AMD Radeon Graphics (RDNA 3, 2CU) | Intel Graphics (Arcベース, 2.0 GHz) | Intel Graphics (Arcベース, 1.95 GHz) |
OC対応 | 対応 | 対応 (Kモデル) | 非対応 |
発売日 | 2024年11月15日 | 2024年10月24日 | 2025年2月21日 |
価格 | $449 | $384.00 – $394.00 | $394.00 – $404.00 |
IntelのCore Ultra 7 265K/265は、最新のデスクトップ向け「Arrow Lake」アーキテクチャを採用し、3nmプロセスで製造されたCompute Tileを特徴としています。これらは、AI処理専用のNPU (Intel AI Boost)を搭載し、AI PCとしての側面を強く打ち出しています。
一方、AMDのRyzen 7 9800X3Dは、AMD独自の第2世代3D V-Cacheテクノロジーを搭載したZen 5世代のプロセッサであり、AMDによって「世界最高のゲーミングプロセッサ」として発表されています。その設計思想は、ひたすらゲーミング性能の最大化にあります。
各CPUの詳細記事については、以下記事よりご確認ください。
なぜこんなに違う?「違い」を深掘り
Intelは3nmプロセスとAI専用NPUでデスクトップの概念を変え、AMDはZen 5アーキテクチャと96MBの3D V-Cacheで「世界最高のゲーミングプロセッサ」の地位を固めました。
この3つのプロセッサを分ける主な要因は、「コア構成とキャッシュ設計」「AI機能の有無」「電力効率とプラットフォーム」の3点です。
コア構成とゲーミング性能:L3キャッシュ vs ハイブリッドコア
比較項目 | Ryzen 7 9800X3D | Core Ultra 7 265K/265 |
---|---|---|
設計思想 | ゲーミング特化 | 汎用性・マルチタスク特化 |
L3キャッシュ | 96MB (3D V-Cache搭載) | 30MB (Intel Smart Cache) |
コア構成 | 8コア/16スレッド (Zen 5) | 20コア/20スレッド (8P+12E) |
Ryzen 7 9800X3Dの最大の強みは、96MBという大容量のL3キャッシュです。この3D V-Cacheテクノロジーは、CPUが頻繁にアクセスするゲームデータをオンチップに保持することで、メインメモリへのアクセス遅延を劇的に減らし、特にCPUのL3キャッシュ依存度が高いゲーム(FPS、eスポーツタイトルなど)で圧倒的なゲーミング性能を発揮します。AMDは、Ryzen 7 9800X3DのフラッグシップモデルであるRyzen 9 9950X3Dが、Intel Core Ultra 9 285K(Arrow Lakeのハイエンド)と比較して、ゲームで平均して大幅に高速であると示しています(例:Cyberpunk 2077で+59%、Far Cry 6で+53%)。
Core Ultra 7シリーズは、20コア(8P+12E)/20スレッドという非対称なハイブリッド構成を持ち、マルチタスクやクリエイティブ用途での高い汎用性を目指しています。ただし、Pコアがハイパースレッディングをサポートしていないため、スレッド総数は20スレッドに留まります。
AI機能と内蔵GPU:Core Ultraの明確な優位性
Core Ultra 7 265K/265は、Ryzen 7 9800X3Dが搭載していないAI処理専用のNPU「Intel AI Boost」13 TOPSのピーク性能を達成し、CPUやGPUに負荷をかけずにAI関連タスクを効率的に実行できます。総合的なピークTOPSは33です。これは、AI機能の活用が標準となる「AI PC」時代において、Core Ultra 7の最大のアドバンテージとなります。
また、Core Ultra 7の内蔵GPUはArcベースのIntel Graphicsであり、従来のIntel UHD Graphics 770と比較して、ゲーム性能やメディア処理能力が強化されています。一方、Ryzen 7 9800X3DもAMD Radeon Graphics (RDNA 3, 2CU)を統合していますが、Core Ultra 7シリーズの方が内蔵グラフィックス性能が強力である可能性があります。
電力特性とプラットフォーム:効率の265 vs 冷却必須のK/X3D
項目 | Core Ultra 7 265 | Core Ultra 7 265K | Ryzen 7 9800X3D |
---|---|---|---|
PBP/TDP | 65W | 125W | 120W |
MTP | 182W | 250W | N/A (PPT制限) |
OC対応 | 非対応 | 対応 | 対応 |
冷却難易度 | 低~中 | 高 (水冷検討) | 高 (水冷検討) |
Core Ultra 7 265は、PBPが65Wと低く抑えられており、高性能ながら発熱を抑えた電力効率に優れたモデルです。静音性や省エネ性を重視するユーザーに最適です。
Core Ultra 7 265Kは、オーバークロックに対応する分、PBP 125W、MTP 250Wと高い電力設定を持ち、高性能な空冷または、簡易水冷のクーラーが検討となります。Ryzen 7 9800X3DもTDP 120Wであり、その性能を最大限に安定して引き出すためには、Core Ultra 7 265Kと同様に高性能な空冷または、簡易水冷のクーラーが検討とされます。
性能の定量的比較(PassMark CPU Mark)
PassMarkのマルチスレッド性能を示すCPU Markスコアを比較すると、コア数の多いIntel Core Ultra 7シリーズが、Zen 5アーキテクチャのRyzen 7 9800X3Dを大きく上回る傾向にあります。
CPU | PassMark CPU Mark (マルチスレッド) |
---|---|
Core Ultra 7 265K | 58,811 |
Core Ultra 7 265 | 49,274 |
Ryzen 7 9800X3D | 39,985 |
この結果は、Core Ultra 7シリーズがコア数を活かした総合的なマルチスレッド性能で優位に立っていることを示唆しています。これは、Core Ultra 7シリーズが20コアという多コア構成(8P+12E)を採用しているのに対し、Ryzen 7 9800X3Dは8コア構成に特化しているためです。
これは純粋なゲーミング性能を比較したものではなく、Ryzen 7 9800X3Dの強みである3D V-Cacheによるゲームでの圧倒的なフレームレート向上は、このマルチスレッドスコアでは反映されません。Ryzen 7 9800X3Dが、特定用途(ゲーミング)で驚異的な性能を発揮するために、一般的なマルチスレッド性能を犠牲にした設計であることがこの数字から読み取れます。
用途別の勝者
どのCPUが勝者となるかは、あなたのPCの「主要な用途」が重要です。まずは、用途に合わせた重要な性能部分に触れながら、用途別の勝者を確認しましょう。
🏆 ゲーミング性能:Ryzen 7 9800X3Dの絶対的優位
→ AMD Ryzen 7 9800X3D
ゲーミングを最優先する場合、Ryzen 7 9800X3Dの優位性は揺るぎません。
Core Ultra 7 265K/265が搭載する30MBのL3キャッシュに対し、9800X3Dは96MBという大容量キャッシュを持っています。この3D V-Cacheは、特に高フレームレートを追求する競技系タイトルや、CPU依存度の高いAAAタイトルにおいて、Core Ultra 7シリーズの多コア構成を上回るフレームレートを提供します。
AMDのフラッグシップモデル(Ryzen 9 9950X3D)とCore Ultra 9 285Kの比較データからも、Ryzen X3Dモデルはゲーミングにおいて圧倒的な性能差を示しており、Core Ultra 7シリーズに対しても同様に最高の応答性とフレームレートを実現できると期待されます。
💻 マルチタスク/クリエイティブ性能:Core Ultra 7 265Kがリード
→ Intel Core Ultra 7 265K または Core Ultra 7 265
汎用的なマルチタスク、特に動画エンコードや3Dレンダリングなど、純粋なコア数とクロック速度が重要になる場面では、Core Ultra 7 265Kが優位に立ちます。
- Core Ultra 7 265K/265:20コア(8P+12E)という豊富なコア構成により、PassMarkマルチスレッドスコアは58,811(265K)に達し、Ryzen 7 9800X3Dの39,985を大きく上回ります。多数のタスクを並行処理する環境で高いスループットを期待できます。
- Ryzen 7 9800X3D:3D V-Cacheはゲーミングに特化した技術であり、一般的なクリエイティブワークではCore Ultra 7の多コア構成が有利になる可能性が高いです。
ただし、AMDはRyzen 9 9950X3D(Zen 5/X3D)がAdobe Photoshopで+147%、7zipで+133%の性能改善を示したというデータも公開しており、Zen 5アーキテクチャ自体のIPCや効率が特定のクリエイティブアプリケーションでCore Ultraシリーズ(Arrow Lake)に対して大きな優位性を持つ可能性も示唆されています。しかし、純粋なマルチスレッド性能の指標ではCore Ultra 7 265Kがリードしています。
🤖 AI処理能力と将来性:Core Ultra 7の技術的優位
→ Intel Core Ultra 7 265K または Core Ultra 7 265
AI PC時代の到来において、NPU(Intel AI Boost)を搭載しているCore Ultra 7 265K/265が、技術的な将来性で一歩リードしています。
Core Ultra 7のNPUは13 TOPS(Int8)のピーク性能を持ち、AIタスクをCPUやGPUから解放し、効率的なバックグラウンド処理を可能にします。これは、AIを活用した新しいWindows機能やクリエイティブソフトウェアを快適に利用するための基盤となります。
Ryzenもモバイル向けに50 TOPS以上のNPU(XDNA 2)を搭載したRyzen AI 300シリーズを展開していますが、デスクトップ向けRyzen 7 9800X3D自体に専用NPUが搭載されているかどうかは明確な情報がありません。現時点では、AI PCとしての明確な技術的優位性はCore Ultra 7側にあります。
それぞれどういった人におすすめ?
次は用途ではなく、それぞれのCPUを主体として、各CPUがどのようなユーザー層に最適かを確認します。
Ryzen 7 9800X3Dがおすすめの人
Ryzen 7 9800X3Dは、3D V-Cacheによる圧倒的なゲーミング性能を最大の魅力とします。
Core Ultra 7 265Kがおすすめの人
Core Ultra 7 265Kは、最高クロック、オーバークロック対応、そして豊富なコア数により、究極の汎用性と処理能力を求めるプロフェッショナルに最適です。
Core Ultra 7 265がおすすめの人
Core Ultra 7 265は、安定した高性能とAIの恩恵を、効率的な電力消費で享受したいユーザーに最適です。
Core Ultra 7 265/265K 搭載のおすすめゲーミングPC
では、Core Ultra 7 265/265K搭載のおすすめゲーミングPCを紹介していきます。「カスタマイズを見る」をクリックすると、カスタマイズの確認ができる公式サイトの商品ページにアクセスできます。
Ryzen 7 9800X3D 搭載のおすすめゲーミングPC
では、Ryzen 7 9800X3D搭載のおすすめゲーミングPCを紹介していきます。「カスタマイズを見る」をクリックすると、カスタマイズの確認ができる公式サイトの商品ページにアクセスできます。
▼その他のおすすめゲーミングPCについて興味のある方は、以下よりまとめ記事で確認出来ます。
Core Ultra 7 265/265K / Ryzen 7 9800X3DのPC選びのポイント
これらの次世代CPUの性能を最大限に引き出すためには、周辺パーツの選定が非常に重要です。BTOショップ等では、既に以下を考慮してPCを組み建てられているので、以下は自作向けの内容となります。
プラットフォームと将来性
Core Ultra 7 (LGA1851ソケット):Core Ultra 7シリーズは新しいLGA1851ソケットを採用しており、マザーボードも新調する必要があります。このソケットはDDR5メモリ専用です。
Ryzen 7 (AM5ソケット):Ryzen 7 9800X3DはAM5ソケットを採用しており、AMDは2025年以降もサポートを継続すると公約しているため、将来的なアップグレードパスが確保されています。こちらもDDR5メモリ専用です。
冷却システム (必須事項)
- Ryzen 7 9800X3D (120W):高負荷時の発熱が大きいため、240mmまたは360mmサイズの高性能簡易水冷クーラーが必須です。
- Core Ultra 7 265K (125W/250W):オーバークロックを行う場合、Ryzen 7 9800X3Dと同様かそれ以上に強力な冷却、すなわち高性能簡易水冷クーラーが必須です。
- Core Ultra 7 265 (65W/182W):PBPが低いため、ミドルレンジ以上の高性能空冷クーラーや簡易水冷で十分に冷却可能であり、冷却のハードルが最も低いです。
メモリとストレージ
メモリ速度は、3モデルともDDR5専用であり、最大DDR5-6400に対応しています。特に高性能GPUと組み合わせる場合、ボトルネックを避けるために高速なDDR5-6000MHz台(例:CL値が低いもの)のメモリ(最低32GB推奨)の搭載が望ましいです。
PCIeは、両プラットフォームともPCI Express Gen5に対応しており、最新の高速NVMe SSDやグラフィックボード(RTX 50シリーズやRX 9000シリーズなど)の性能を最大限に引き出すことが可能です。
電源ユニット(PSU)
Core Ultra 7 265K (MTP 250W) または Ryzen 7 9800X3D (120W) にハイエンドGPU(例:RTX 5090やRX 9070 XTなど)を組み合わせる場合、システム全体の消費電力が大きくなるため、850W~1000W以上の80 PLUS Gold認証以上の高効率電源ユニットを選ぶことを強く推奨します。
まとめ:あなたの用途に最適な次世代CPUを選ぼう
AMD Ryzen 7 9800X3DとIntel Core Ultra 7 265K/265は、デスクトップPCのCPU市場において、明確に異なるニーズに対応します。
CPU | 特徴 | 最適なユーザー |
---|---|---|
Ryzen 7 9800X3D | 96MB 3D V-Cacheによる究極のゲーミング性能。 Zen 5アーキテクチャによるIPC向上。 | 最高のフレームレートと応答性 を追求するコアゲーマー。 |
Core Ultra 7 265K | 20コア/20スレッド構成。NPU(Intel AI Boost)搭載。 最高クロック、OC対応。 | 限界性能と最高のマルチタスク/クリエイティブ性能、 AI活用を求めるプロフェッショナル。 |
Core Ultra 7 265 | 20コア/20スレッド構成。NPU搭載。 PBP 65Wによる優れた電力効率。 | 安定した高性能とAIの恩恵 を求め、 発熱や消費電力を抑えたい一般ユーザー。 |
どちらのCPUもDDR5メモリやPCIe Gen5といった最新規格に対応しており、未来を見据えたPC構築を可能にします。あなたのPCの主目的(ゲーミングの極限追求か、AI時代の汎用的な高効率処理か)に基づいて、最適な選択をすることが重要です。